●人事・労務
A7
氏
Q7
当施設では、現在12名のパートタイマーを雇用しています。本年4月から改正パートタイム労働法が施行されるそうですが、既に雇用しているパートタイマーにも改めて労働条件通知書(契約書)を渡す必要があるのでしょうか。
今回の改正により「昇給の有無」、「賞与の有無」、「退職手当の有無」を文書の交付等により明示することが義務付けられました。これは、パートタイマーを雇い入れたときに必要になります。したがって、すでに雇い入れているパートタイマーには改めて明示する必要はありません。ただし、すでに雇い入れているパートタイマーについて契約期間が満了し、契約を更新する際には新しい労働条件を明示する必要があります。
ただし、施行前後で明示内容が異なるため、すでに雇い入れているパートタイマーにも、追加された項目である「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」について説明を行っておくことが望ましいと言えます。
改正パートタイマー労働法は主に
@労働条件の文書交付と説明義務
A正職員との均衡のとれた待遇の確保の促進
B正職員への転換の推進
C苦情処理および紛争解決援助の4項目について改正が行われています。
そこで、施設として改正法にどのように取り組むかについては、「労働条件の説明義務」への対応に要約できるのではないかと考えるのです。
つまり、「パートタイマーの待遇について、雇用後にパートタイマーから求めがあったときには、その待遇の決定に当たって考慮した事項について説明する義務」、このことを施設としてきちんと果たすことができるよう、取り組むことが必要になったということです。
説明が義務化される事項には以下の項目があります。
@労働条件の明示、A就業規則の作成手続、B待遇の差別的取扱い、C賃金の決定方法、D教育訓練、E福利厚生施設、F正社員への転換を推進するための措置の7項目です。
つまり、施設としては、これらの項目について納得いく合理的な説明ができるよう、一定の判断基準を整備することが避けられなくなったということです。今までのように”あなたはパートタイマーだから”という説明ではとおらなくなります。
そして、前段の@〜Bの実施にあたり「事業所内の苦情は、自主的に解決するよう努めること」という観点からCの規定があります。この内容は、努力義務にとどまっていますが自主的な苦情処理解決が求められています。
合理的な説明ができないものは正職員と均等に処理しましょう、というのが今回の法改正です。これを逆にとらえれば、パートタイマーに、そして正職員にも、納得のいく合理的な説明ができるようにしましょうということでもあります。
以上のようなことを考慮しながら、自施設にあったものを以下について順次整備していくことが必要かと考えます。
@社員登用制度の整備
義務化に対応する登用基準の整備が必要になります。基準を公表していないと説明義務が果たせないと考えます。
Aパート賃金表の整備
全員一律の時給は見直す必要があります。一律賃金では説明義務が果たせないと考えます。
B評価制度の導入
上記@、Aに対応する評価基準と評価表が必要になります。処遇に関して説明義務を果たすには、評価制度は欠かせないと考えます。
Cパートタイマー就業規則の見直しと公表
上記@、A、B、を就業規則に規定して公表して下さい。
D苦情処理窓口の設置
自主解決努力をしないと、不満が外に向かってしまう危険性が高まります。
などに取り組む必要があると言えます。
最後に一言付け加えますと、施設として間違ってはいけないことは、パートタイマーの労働条件をできるだけ抑えておくとの考え方ではなく、優秀な方はキチンと処遇しましょう、ということです。改正法を折角の機会と捉え、対応が無駄な作業にならないよう、全職員の「動機付け」に繋がるような、そして職員に一層頑張ってもらうための前向きな取り組みであると理解していただければ、良い結果が出るのではないかと考えます。
以上